2009年10月18日日曜日

雰囲気


「1周したな」って思うことが、絵を描いているとたまにおこる。

考えてみれば、中学校くらいで一度辞めたものの、高校で再開して今まで描いてきているわけで、かなり長いこと絵を描いているので当たり前と言えばそれまでだが、たとえば「デッサンがイヤだ」→「キャラクターやデフォルメに頼る」→「いまいち迫力に欠ける」→「根拠が欲しい」→「根拠=デッサン力」みたいな感じ。

でもってタイトルにした雰囲気なんだけど、僕は小学校のころ水彩絵具を好んで使っていて、スケッチのようなものやラクガキを沢山していた。水彩絵具の特徴として、具体的なものを丁寧に描かなくても、そのものの象徴的な部分を追えば、それなりに絵として成立するみたいなところがあって、ラクして上手いと褒められる事に快感があったのである。

思えば、ここに今の絵にも活かせる重要な事があったのだが、つい最近までそれを忘れて背景とか風景を書く際に「大変だなぁ」とか「面倒だなぁ」という意識ばかりが先行して、そこからどうやって逃げ出そうかばかりを考えていた。

しかし、僕の中で美術背景ブームというのが来てからというもの「一番上手いのは背景だ」くらいの勢いで美術背景にのめり込むとアラ不思議、小学生の頃のスケッチの技術が生きてくるではないか。葉の地にグラデーションを塗りこみ、上から濃い絵具で葉を数枚描くと綺麗に見えるとか、雲のアウトラインをしっかりと書き込めば、中は筆跡だけで十分だったりとか。

スゲー昔を思い出してみると、なんかの展示会で観た墨絵の植物や花の処理(デフォルメ)を参考に水彩を描いていた覚えがあって、実家の画集から墨絵の含まれている絵を見直してみるとメチャメチャ目から鱗だったり。

まぁ、続けるのが大事とはよく言うけど、昔の経験が、今の自分の助けなる瞬間はそうとう気持ち良い。こういうのが絵をやめられない理由の大きなところかもしれない。

2009年10月16日金曜日

ねこまっしぐら


猫派、犬派で聞かれれば僕は断然、猫を愛でるタイプの人間です。

犬は従順でストレートなイメージなのに対して、猫は柔軟でトリッキーなイメージで、僕は友人でも柔軟でトリッキーな人間を好む傾向にある。真面目で直情的な人間は面白みにかける。(むろん、大量の例外があるが)

そもそも、僕は自分に自信のない性格をしているので、犬なんていう僕を頼ってくるものを受け止めるパワーが無い。動物を飼うということに少なからずプレッシャーを感じているのに、僕を頼って犬が飯も食わずに律儀に待っている光景を想像するのも厭なのだ。(眺めている分には何の問題も無い。)

それに比べて、猫は良い。(ちなみに僕は家猫は苦手です。)

食うに困れば自分で狩るし、身体能力も高いので、安心して家を空けれる。「猫は芸事を覚えない」などと言うが、猫の場合はなついてくれるだけで、相当嬉しいし、奴等の動きは見ていて飽きない。

死に際を見せないところも動物らしくて素晴らしい。飼うと言うより「利害が一致しているから共にいるぜ」みたいなテンションでいてくれたほうが気が楽だというものだ。あとは柱とかをガリガリしないでくれれば最高なのだけれど……。

ちなみに、実家も別宅も犬も猫も飼えないし、今後猫を飼う予定もありませんが、ゆくゆくは……とマイホームを夢見るオッサンのごとく思っていたりします。

2009年10月11日日曜日

豪華な雑なもの


例えば、絵の上手い人のラクガキとか。

例えば、頭の良い方のちょっとした雑学とか。

例えば、美味い鍋の残り汁で作る雑炊とか。

まぁ、一番最後ので思いついたんですが、豪華な雑なものに僕は弱いなぁ。という事に最近気づいたんです。

娯楽的なものにおいて、完成形も勿論魅力的なのですが、作り途中や残りカスも中々良い味を出しているし、それらの物の方が親しみやすく感動できる場合も多い気がするんです。

僕はDVDの特典にメイキングがあると嬉しいし、小難しい話も雑学はさんでくれると聞き易い。絵の場合もそういうのが強くあって、スケッチの絵とか好きな人は共感してくれると思うんだけど、未完成なうちって絵の中における重要度みたいなのが如実に現れてて面白いんです。「この人は木がメインなんだ」とか「この人は雲を追ってるな」とか。

メイキング系の作り途中の魅力もあるけど、完成後の残りカスもまた良い味を出していて、コメンタリーは完成後の監督やスタッフの悔いや裏話で一杯である。インタビューよりも実際にその映画を見ながら話している分、マニアックな事が言えている感じがして良い。

もちろん、完成形のソレがあるから、作り途中も残りカスも生まれるので、なんとも言いがたいんですが、ヒットしたものでも完成形しか見せないものっていうのが多いんじゃないかと思うので、こういう豪華な雑なものが増えてくれたら嬉しいなぁ。と思います。

多分、ドキュメンタリーとかが面白いのもこういう残り物や作り途中を掘り下げるところにあるんだろうなぁ。